生きている間に

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2023年8月25日

八月二五日 生きている間に (二〇一四年夏 ひとしずく一六一九)

肉体から離れた魂は

私たちに聞こえる声で語りかけることができない。

彼は今、私たちに何を語りたいのだろう?

写真の中の彼はほほ笑んでいる。

どうしようもない肉体の疲れや苦悩から解放されて

今は本当に、この写真のように、心から喜んでいるのだろう。

病院を訪問したのが彼との最後の会話だった。

私が帰る時、寝巻き姿で病院から出て、わざわざ私を見送ってくれた。

「今度、秋田に来てください」

私がそう言うと、彼は嬉しそうにほほ笑んでいた。

来月の8月にと思っていたけれど

もっと早く秋田に連れて行けばよかった。

人生の卒業がこんなにも早く迫っていたなんて・・・。

思えば、あまり心の内を彼から聞き出していなかった

何を考えて、何が望みで、何が悩みだったのか。

この世を去る前に、何か言いたかったことは無かったか。

微笑む彼の写真を見て、心に色々な思いが巡ってくる。

今、彼がイエス様の胸の中にいて、平安と喜びに満たされているのはわかる。

そして、それが私にとってのせめてもの救い。

しかし、ああ、彼の気持ちをもっと理解できていたら、と思う。

彼のためにもっと何かしてあげられることはなかったか・・・。

生きている間に・・・。

あなたがたは、あすのこともわからぬ身なのだ。あなたがたのいのちは、どんなものであるか。あなたがたは、しばしの間あらわれて、たちまち消え行く霧にすぎない。(ヤコブ四章十四節)

あなたがたによく言っておく。わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者のひとりにしたのは、すなわち、わたしにしたのである… あなたがたによく言っておく。これらの最も小さな者のひとりにしなかったのは、すなわち、わたしにしなかったのである(マタイ二五章四〇、四四節)

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