雪球(ゆきだま)

ひとしずく741-雪球(ゆきだま)(2012年3月) 二十四歳になる娘と一緒に、秋田に帰る途中でのことです。岩手と秋田の県境の峠を越えて山道を降りて行くと、とても不思議で美しい光景に出会いました。  ここ二日ばかりは雪が降らず、暖かい日が続いていたせいか、道路の両脇にはまだ雪の壁が続いているものの、その背後に広がる林は、雪が溶 け、こげ茶や灰色 の木々が、その幹や枝を露にしていました。そして何が私たちの目を引きつけたかというと、木々に大きな雪の白い球が、いくつも乗っている 光景です。木に積...