神は愛

ひとしずく746-神は愛

 先月、近所に住む男性が突然なくなりました。その人は、母が土方の仕事をしていた時に一緒に働いたことのある人で、お酒 を飲むと踊り出 す、陽気な人だったそうです。そして先日、その死から一月経つか経たないうちに、今度は、その旦那さんを追うようにして、奥さんも亡くな りました。踏切近 くの雪を掻いていた時、電車に跳ねられてしまったのです。
 この辺りの人口が減っていくばかりの中で、また誰かが亡くなり、それも悲惨な亡くなり方に、ご家族の方はもちろん、この 周辺に住む人たちもショックを隠しきれないようでした。そして、誰もが「不幸」なこととして受け止めていました。

 しかし私は思います。天国から見た現実は、この世で私たちが感じることとは全く違うのではないかと。私はよく、誰かが亡 くなった時など、 この地上の裏側、つまり天国側を想像してみます。例えば、近所で亡くなられたこの御夫婦の場合は、天国で二人が再会を喜んでいる光景を思 い浮かべてみま す。こんなふうに。


 旦那さん:「早く来てくれて良かったよ。お前が、一人で寂しいだろうと心 配していたんだ」
 奥さん:「私もこんなに早くあなたに会えるなんて思ってもみませんでした。あなたがいなくなってから、もう地上には未練 はありません。あなたのいるところに、私も来れて嬉しいです」

そして以前、早くに亡くなられた両親や兄弟、あるいは子供や友人たちやペッ トとまで、感動の再会をしているのかもしれません。

これは私の想像に過ぎませんが、天国側で起こっ ている現実は、実際このようであり、地上で捉えられている現実より、真実なのだと思います。

私たちは天国に行って初めて、死とはこういうも のだったのか、と気づくと共に、人生で起きたいろいろな不可解なことを、理解することができるのでしょう。そして人生は、すべて神様の愛 の御手の内にあるのだということも知るのです。

私たちの人生は本当に理解できないことが次々と起こります。なぜ、この善良 な人たちにこんなことが・・・どうして、この自分が、または子供がこんなことに・・・と、不可解なことを数え上げたらきりがないくらいで す。

3・11の震災に遭ったある教師は、あまりにも悲惨な出来事に「神様はいな いと思いました」と言っていましたが、そう言いたくなる気持ちもわかります。神様がいるなら、そして神が愛であるなら、なぜ、こんな悲惨 なことが起こるのを許されるのかと・・・。

 しかし、これを説明するのにちょうど良い、こんな話があります。

それは、聖職者であるハンドリー・モールが、イギリス東北部のウェスト・ス タンレーの炭鉱 で物凄い地下爆発があった直後に現場を訪れた時のことでした。鉱道の入り口には、悲痛な表情をした群衆が集まり、その中には、生き埋めに なった炭鉱夫の家 族もいました。ハンドリー・モールはこう語りました。「このように悲惨な災害が起こるのをどうして神が許されたのか、それを理解するの は、私達にとって非 常に難しいことです。けれども、聞いて下さい。私は家に、母からもらった古いしおりを持っています。絹の刺しゅうがしてあるのですが、そ の裏側を見ても、 糸のもつれしか見えません。きっとやり方も知らない人が刺しゅうしたのだと思うことでしょう。しかし、ひっくり返 して、表側を見てみると、そこにはきれいに『神は愛』という文字が刺しゅうされているのです。私達は今日、この出来事全体を裏側から見て いるわけです。で も、いつの日か、私達は別の観点からこのことを見て、どうしてこのような事が起こったかが理解できるようになることでしょう。」

 起こる全てのことは、今は私たちには理解できないこともたくさんありま す。しかしその全ては、私たちの目にどんなに悲惨に映ろうと、神様の愛は私たちを支えています。
  ちょうど、雨や曇りや嵐が次から次へとやってきても、太陽が輝かなかったというわけではないように、主の愛は、永遠に変わらず、私た ちに降り注がれているのです。ちょうど、日の光が、希望を与え、命を育むように、変わらない神の愛は、癒し、強め、成長させてくれるので す。
 
「主は言われる、わたしがあなたがたに対していだいている計画はわたしが知っている。それは災を与えようというのではな く、平安を与えようとするものであり、あなたがたに将来を与え、希望を与えようとするものである。」(エレミヤ 29:11)

目に見えるものに左右されるのではな く、真実な神様の約束に目を留めて、「神様は愛です」という確信を手放すことがないようにしたいものです。

「あらゆる人を偽り者としても、神を 真実なものとすべきである。」(ローマ3:4)

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