悪口を言われるとき

悪口を言われるとき (2014年3年 ひとしずく1490)

ある人が、自分のことを理解してもらえず、また他の人に噂されているということで、心を悩ましていました。そのような経験をした事のある人ならわかるでしょうが、さぞ辛いことだろうと思います。

相手の気持ちをよく理解しないで裁く事は、その相手を深く傷つけ、愛の行為ではないことは明らかです。クリスチャンである私たちでも、気をつけていないと犯しやすい過ちだと思います。

ところで、人を批判的に見て裁く事は良くない事ですが、逆に、批判され悪く言われた時には、私たちはどのような態度でそれを受け止めたら良いのでしょう?

ある絵本の人形世界のストーリーを思い出します。その人形世界では、良い人形には星シール、だめな人形にはだめシールを、それぞれの容姿や才能などで判断し、互いにシールを貼り合っていました。主人公の人形は容姿も悪く、何をやってもへまばかりで、いつも皆からだめシールを貼られ、体中が灰色のだめシールでいっぱいになっていました。そして彼は、次第に自分はだめな人形なんだと信じ込んでしまうのです。しかし、ある時、星シールもだめシールも一枚もつけていない女の子の人形に出会います。彼は、その彼女に、星シールをつけようとしましたがくっつかないのです。また他の誰かがだめシールをつけようとしてもやはりくっつきません。彼女のようになりたいと思っただめシールでいっ ぱいの人形は、どうしたらそうなれるのか、彼女に尋ねます。すると彼女は、丘の上に住んでいる彫刻家の所に行くように勧めます。彼はこんな自分などに会ってくれるだろうかと思いましたが、シールを貼り合う人形たちの姿を見て、やっぱりこんなのは変だ、と思い、勇気を出して彫刻家の許へ行くことにします。するとびっくりしたことに、彫刻家は彼を見るなり喜び、彼の名前を呼んだのです。それどころか彫刻家は彼のことは何もかも知っていました。そして、彫刻家は彼を仕事机の上に優しく座らせると、こう言って慰めるのでした。「みんなが何と思おうと、気にする事はない。シールをつけているのは、みんなお前と同じ、人形たちではないか。みんながどう思うかはたいして大切なことではない。 問題は、この私がどう思うかなんだ。そして私はお前のことを大切に思っているんだよ」と。彼には、その彫刻家の言葉が信じられませんでした。そんな優しい言葉を言われた事は生まれて初めてでした。そして彼は、先日会った彼女がシールを一つもつけていなかった理由を彫刻家に尋ねます。すると、彫刻師はこう答えたのです。「それは彼女が私の思うことの方がもっと大事だと決めたからなんだ。シールがつくようにしていたのはお前自身だったのだよ。もし私の愛を信じたなら、シールなんてどうでもよくなるんだよ。・・・覚えていなさい、お前は私がこの手で造ったから大切なのだという事を。それから私は失敗しないということもね」と。(たいせつなきみ・マックス・ルケード著より要約)

私たちは神様がどう思われているか、ということよりも人がどう思うかに心を奪われている事の方が多いような気がします。しかし、この彫刻家の言うように、本当に大切なのは、人がどのように自分を思っているかということよりも、神様が自分のことをどう思っておられるかなのです。そして主は自分の事を、命さえ惜しまないほどに、深く愛してくださっているのです。もし、この事実をしっかり信じているなら、そして主との関係がうまくいっているなら、恐らく他の事は全く気にならなくなるのではないでしょうか。たとえ、人の行為や言葉に傷ついたとしても、主の御許に行きさえするなら、主はあふれるほどの愛をもって、傷ついた心を優しく慰め癒してくださることでしょう。

「人を恐れると、わなに陥る、主に信頼する者は安らかである。」(箴言29:25)

「また、からだを殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、からだも魂も地獄で滅ぼす力のあるかたを恐れなさい。」(マタイ10:28

「最後に言う。あなたがたは皆、心をひとつにし、同情し合い、兄弟愛をもち、あわれみ深くあり、謙虚でありなさい。悪をもって悪に報いず、悪口をもって悪口に報いず、かえって、祝福をもって報いなさい。あなたがたが召されたのは、祝福を受け継ぐためなのである。」(第一ペテロ3:8,9)

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