低くされる時

七月二一日 低くされる時 (二〇一一年 ひとしずく六一〇)   「神は真実を見ているが、すぐには現さない」というトルストイの小話は、とても考えさせられるものだと思いました。  誠実で、善人である、ある商人が、全然、身に覚えのない罪を着せられます。殺人罪に問われます。裁判でも、彼の主張は取り上げられず、妻の皇帝 への直訴の手紙も届きません。さらに妻も彼が犯罪をしたかもしれないと疑うのです。...