七月二十日 最強の技 (二〇一〇年夏 ひとしずく四四)
格闘技の神様とまで言われた合気道の師範、塩田剛三氏のドキュメンタリー・ビ
デオを見ました。彼がケネディ大統領の弟ケネディ・ロバートのボディガードと
対決する場面があり、巨体のボディガードが剛三氏に触れた瞬間に、ボディガードは、あっという間に蜘蛛がピンで留められたかのように押さえつけられてしまいました。その塩田剛三氏はインタビューで「合気道で一番強い業は?」と尋ねられた時、「それはわたしを殺しに来た相手と友達になることです。」という興味深い答をしていました。
確かに自分に危害を加えようとしている人を、自分の友として獲得することは真の強さであるというのは同感でした。わたしたち、イエスを信じるクリスチャンには、自分やまた自分の愛する者に襲い掛かり、命を奪う人を、愛で獲得した数々のテスティモニーがあります。そのひとつに、 ある五人の若い宣教師たちが飛行機でブラジルのジャングルに宣教に行った話があります。
当時、そのジャングルに住む原住民にとって、白人といえば、そこに宝石や金などを採りに来て、自分たちを殺す悪者たちでした。そうした敵意を抱いた原住民によって、白人達は幾人も殺されていました。この五人の白人男性はそれを承知で、ジャングルの中に入っていくのですが、思い通じず、無念にも原住民に殺されてしまいます。しかし、その殺された男性たちのうちの一人の奥さんは、自分の娘を連れてそのジャングルに行きます。そしてその部族の酋長とその民を愛するために、その言語を学び、そこで原住民と一緒の生活を始めるのです。やがてその部族は、この宣教師たちとその奥さんの愛を受け入れ、イエス・キリストを見出すという話でした。
わたしは、そのような美しい話を聞いて、自分にはそのような愛があるだろうか?と思ってしまいますが、この宣教師や奥さんを突き動かした力はイエス・キリストの愛から来ています。わたしたちも、イエス・キリストを通して、地上最強の技、イエス・キリストが行ったのと同じ愛の業を行う力を、自分の内に秘めているのです。主の愛によって心を支配していただき、その愛で満たしてくださるように願い求めたいです。
・・・この奥義は、あなたがたのうちにいますキリストであり、栄光の望みである。(コロサイ一章二七節)
わたしたちの戦いの武器は、肉のものではなく、神のためには要塞をも破壊するほどの力あるものである。(第二コリント十章四節)