この悪い時代にあって

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2022年12月20日

「ひとしずく」ーーひと昔編

セウォル号沈没事故からひと月になりま す。未だ、毎日のように、新たにわかった事実が報道されています。船が沈みかけているという土壇場で、船長がとった咄嗟の行動が、我先にと自分の命を守るということでしたが、自分ももし船長の立場であったらどうしたであろうと考えさせられた人も多かったのではないでしょうか。
パニックになると人はどんな行動をとるかわかりません。が、一つだけ言えることは、こういった土壇場でも、やはり日頃の態度が あらわれるということではないかと思います。
セウォル号とは対照的な、「塩狩峠」(三浦綾子著)の話を思い出します。列車事故の場面です。主人公は永野信夫というクリスチャンで、北海道の鉄道会社で働いていましたが、その日は彼の結納の日で、乗客として婚約者のもとへ向っていました。ところが、その汽車が塩狩峠にさしかかろうとした時、彼の乗っていた最後尾の車両の連結部が外れてしまう事故 が起きてしまいます。そして、客車が一気に峠を下り落ちていこうとしているその時、信夫は 乗客の命を守るため、自らの命を犠牲にして咄嗟にレールへ飛び降り、客車の下敷きとなり客車の暴走を食い止めたのでした。享年32歳でした。彼は自らの命をもって、乗客全員を助けたのでした。これは実話をもとに、三浦綾子さんが書いたものです。
彼の真似はできる人はなかなかいないと思いますが、彼の場合も、やはり日ごろの志と行いが、その土壇場にもあらわれたものではないでしょうか。 
 ところで、そのセウォル号では、事故が起きた時、その場から動かないようにとのアナウンスが流されました。パニックを避けるためと言われていますが、その指示に従った人々は、残念なことに亡くなってしまいました。
 これは、自分達の国に起こっている事にも言えると思いました。
 本当は、この国に危険が迫っているのに、政府は国民にパニックになってほしくないということで、私たちに 安心させるようなことを言って、大丈夫だからと説き伏せているように思えます。そして、福島の原発の状況、放射能の汚染の脅威、 戦争に加担することについても、その負の現実がトーンダウンしてしか報道されないのです。報道機関に圧力を加えて、自分たちに都合の悪いことは報道しないようにしておけば、物事はもっと思い通りになるわけです。そして、残念ながら、私たちの多くは、それに騙されやすいです。
再び、韓国の旅客船の話に戻りますが、船内に留まるようにという放送にも拘わらず、船がそんなにも傾いているので、これは危機だ、と自ら感じて 脱出した人たちもいました。私たちも、政府やマスコミの言う事を鵜呑みにして危険に飲み込まれてしまうのではなく、自分でそうした危機を感じ取らねばならないと思います。
 今の時代は、人の安全や命よりも、会社の利益が優先されたり、当局の都合に合わせて物事が運営されてしまう時代です。
 エレミヤは、滅び行こうとするユダヤの国に幾度も警告を告げました。しかし、国王を始め、国の重役たち、 国民は、エレミヤを縁起の悪いことを言うヤツということで、彼を最後には投獄してしまいました。そして安全だ、大丈夫だと、自分たちに心地よい嘘をいう預言者の言葉を信じたのです。しかし、神の裁きはエレミヤの言葉通りになりました。
あるドラマでも、このようなセリフが言われていたそうです「この国民(日本)は、絶望の真実より、嘘の希望を信じ、難しい真実よりも、わかりやすい嘘が好きなのです」と。 
  どうかこうした時代にあって、政府やマスコミ、また大多数の人の意見を鵜呑みに信じることなく、またそれに脅かされることもなく、時が短いことを知り、ますます神を恐れて、各自に与えられた神の召しを全うできますように。そして賢く時を生かして用いることができますように。主の恵みが皆さんと共にありますように。
  
いったい、キリスト・イエスにあって信心深く生きようとする者は、みな、迫害を受ける。悪人と詐欺師とは人を惑わし人に惑わ されて、悪から悪へと落ちていく。
しかし、あなたは、自分が学んで確信しているところに、いつもとどまっていなさい…聖書は、すべて神の霊感を受けて書かれたものであって、人を教え、戒め、正しくし、義に導くのに有益である。それによって、神の人が、あらゆる良いわざに対して十分な準備ができて、完全にととのえられた者になるのである。」(第二テモテ三章十二~十七節)
 
あなたがたの歩きかたによく注意して、賢くない者のようにではなく、賢い者のように歩き、今の時を生かして用いなさい。今は悪い時代なのである。だから、愚かな者にならないで、主の御旨がなんであるかを悟りなさい。(エペソ五章十五~十七節)
 
彼らはあなたがたにこう言った、「終りの時に、あざける者たちがあらわれて、自分の不信心な欲のままに生活するであろう」。(ユダ一章十八節)

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