四月四日 神の御言葉 パート3 (ひとしずく一二三〇)
□ 神経質で感情の起伏の激しいある女性が、世界的に有名な医師ホーワード・A・ケリー博士を訪ねた。この女性は、この世の煩いのために、肉体ばかりか理性までも危機にさらされていたのだ。自分の症状を医師に話した彼女は、与えられた処方せんにびっくりしてしまった。
「奥さん、あなたに必要なのは、もっと聖書を読むことです!」
途方に暮れた女性は言った、 「でも、先生‥‥」 「さあ、帰って、一日一時間、聖書を読むようにしなさい。そして、一ケ月たったら、また戻ってきなさい。」
高名なる医師は権威をもって優しくそう繰り返した。
最初の内は、女性は怒りっぽくなりがちだった。ところが、彼女は、自分が日々神の御言葉を読むのをおろそかにしていたこと、そして、以前には 「いと高き者の陰」に宿り、主と共に過ごす時間を取っていたのに、それをしなくなっていたことを思い、良心の痛みを感じた。
そこで、神と神の御言葉とに立ち返ると、忘れてしまっていた救いの喜びが戻って来たのだった。一ケ月後、もう一度医師のところに行った彼女に、医師は言った。
「あなたは医者の言うことをよく聞く患者さんだったようですね。今、他に薬が何かいると思いますか?」
「いいえ、先生、私、まるで別人のように感じます。でも、私に聖書を読むことが必要だと、どうしてわかったのですか?」
すると医師は、至るところにあれこれ書き込んである、自分の読み古された聖書を手に取り、こう言った。
「もし私が神の御言葉を毎日読むことをしなかったら、私は自分の喜びを失ってしまうばかりか、力の源も失い、医師としての技能も失うことでしょう‥‥あなたに必要だったのは、あなたの心に働きかけて、平安と力とを与えてくれるものだったわけです。私の与える処方せんは、試してみるなら奇跡をなすのです!」
□ もし神が約束という形で御自身を私達に与えて下さるなら、私達も任務を遂行することによって自分自身を与えなければならない。
□ 神の約束を糧として生きている者を飢えさせることは、誰にもできない。
□ 聖書は単に世界のベスト・セラーであるだけではなく、人が買うことのできる物の中で最高の物である。
□ サタンは、ほこりをかぶった聖書など恐れもしない。
□ 若い時にいつも聖書を持ち歩いているなら、年取った時には、聖書があなたを支え、歩ませてくれる。
□ 月面の足跡よりも、聖書につけられた指の跡の方が重要である。
□ 戦争が始まる数年前、ポーランド東部のある小さな集落に住む一人の人が、自分の宿の泊まり客から一冊の聖書を受け取った。彼はその聖書を読み、クリスチャンとなり、その聖書を他の人に回した。そして、その一冊の聖書を通して、さらに二百人が信者となった。
その同じ人が一九四〇年の夏に町を訪れた時、その村人達はただ単に 聖書の章だけではなく、聖書の中の色々な書をすっかり暗記していることを知った。マタイとルカ、それに創世記を半分知っていた者が十三人いた。詩篇をすべて暗記してしまっていた人も一人いた。そして、村人全員を合わせるなら、事実上、聖書全部を暗記していたことになる。家族から家族へと回され、日曜日には集会に持ち出されて、その古い聖書はすっかり使い古されてしまい、その文字はほとんど判読できないほどだったと言う。
□ 御言葉の持つ七つの不思議
一、その構成の不思議―それがどうやって一つにまとめられたかは 歴史の神秘の一つ
二、その統一性の不思議―六十六の書が合わさったものなのに、しか も一冊の本
三、その年代の不思議―あらゆる書物の中でも最古のもの
四、その販売部数の不思議―どの本をも凌ぐベストセラー
五、その人の興味を引き起こす力の不思議―世界で唯一の、あらゆ る階級の人々によって読まれている本
六、その言葉づかいの不思議―おもに教養のない人々によって書かれているにもかかわらず、文学的観点から見ても 最高の水準
七、その保存の不思議―あらゆる本の中でも一番憎まれてきたにも かかわらず、なお存在している。 「われらの神の言葉は永遠に堅く立つ。」
□ 御言葉を行う者こそ、御言葉を最もよく聞く者である。
人を生かすものは霊であって、肉は何の役にも立たない。わたしがあなたがたに話した言葉は霊であり、また命である。(ヨハネ六章六三節)
人はパンだけで生きるものではなく、神の口から出る一つ一つの言で生きるものである。」(マタイ四章四節)
草は枯れ、花はしぼむ。しかし、われわれの神の言葉はとこしえに変わることはない。(イザヤ四〇章八節)