イエス・キリストの生涯-37

イエス・キリストの生涯-37

聖書の基本4

https://ichthys.com/4A-Christo.htm

ロバート・D・ルギンビル博士著

2) イエス・キリストの教えるミニストリー<vii>

j.  最後の過越の祭り<i>:  主の三年半のミニストリーの最後の年は、しばしば 「対立の年」と呼ばれます。それは主が、ユダヤの政治的・宗教的支配層(すなわち、サドカイ派とパリサイ派)からの敵意が顕著に強まるのを経験されたのが、前の過越の祭りと最後の過越の祭りの間だったからです。 <洗礼者>ヨハネはその最後の過越の祭りの直前にヘロデによって死刑に処せられましたが(ヨハネ11章55節-)[1]、この出来事は主に対する抵抗が強まる重要な要因の一つであったことに留意すべきです。 ヨハネの 「名声」ぶりは、その存命中(最後の2年間は牢獄にいたときでさえ)、私たちの主に代わって、ある種の 「おとり」の役割を果たしたからです(マタイ11章10節; マルコ1章2-3節; ルカ7章27節)。そうでなければ得られなかった行動の自由を、イエスに与えたからです(ヨハネが「隠れ蓑」を提供しなければ、イエスとイエスのミニストリーは、当時進行中であった霊的復興に対する宗教的権威の怒りの唯一の焦点となってしまったことでしょう)。抵抗が激化した第二の大きな要因は、主のミニストリーの性格が強まったことです。 福音書の内容の大部分が、この最後の年(すなわち、大まかに言えば、マタイ10章、マルコ5章、ルカ9章、ヨハネ6章以降のすべて)を扱っているのは偶然ではありません(すなわち、五千人、そして四千人の食物の供与、水の上の歩行、変貌、盲人の癒し、ラザロの蘇生)。そしてイエスの弟子たちによる最も広範で明白な伝道が行われるのは、この最後の年です(すなわち、十二人の派遣[開始時]: マタイ9章35節-11章1節; マルコ6章6-13節; ルカ9章1-6節ルカ10章1-20節)。 主や弟子たちの最も劇的な奇跡や教えを前にして、最も激しく抵抗が強まったこの時期は、真理に対するこの世(究極的にサタンに仕えている現在の世の支配者)の容赦ない敵意を露わにすることになります: 真理が明らかになればなるほど、真理の源はより脅威的に見えてきます。さらに、その最後の年の驚くべき出来事は、「神の国は近づいた!」というイエスの宣言の真理を鮮明にしました。それは、主の敵対者たちが忠誠を誓っていた闇の王国を一掃する定めの光の王国であり、彼らにとってその敗北は、自分たちの高い地位を失うことを意味するので、ひどく恐れていました。: マタイ21章33-44節; マルコ12章1-11節; ルカ20章9-18節; マタイ27章18節; マルコ15章10節; ルカ13章17節参照):

 – 五千人の食物と四千人の食物の供与(マタイ14章15-21節; マルコ6章35-44節; ルカ9章12-17節; ヨハネ6章4-13節; マタイ15章32-38節; マルコ8章1-9節):  王の臣民を養う力が示されました。

– 水の上を歩く(マタイ14章24-33節; マルコ6章45-52節; ヨハネ6章16-21節):  時間と空間を支配する王の力が示されました。

– 変貌(マタイ17章1-8節; マルコ9章2-8節; ルカ9章28-36節):  王の栄光と王国の予表[2]

– 七十二人の派遣(ルカ10章1-24節):  王国が間近に迫っていることの宣教: 12人はその力を宣べ伝え、示しました。これは「遠く広く」宣べ伝えることであり(黙示録14章6節を予表)、「私たちは聞いたことがない」という弁解を取り除くものです(ローマ10章18-21節参照)。

– 盲人として生まれた人のいやし(ヨハネ9章1-41節):  王の真理の啓示。

– ラザロの蘇生(ヨハネ11章1-16節):  永遠の死に代わって永遠の命を与える王の力の予表。


[1] 「サタンの反乱」シリーズ第5部の「洗礼者ヨハネとイエス・キリストのミニストリーの比較年表」を参照。

[2] 来たる艱難期、第3部A、V.5、「変貌」参照。

<-38に続く>

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