イエス・キリストの生涯-19
聖書の基本4
ロバート・D・ルギンビル博士著
e)キリストの誕生にまつわる出来事<iii>
3. イエスを神殿で聖別し捧げる(ルカ2章21-38節):
私たちの主は、アブラハムに与えられた契約の儀式に従って、生後八日目に割礼を受け(ルカ2章21節; 創世記17章; レビ12章3節; ヨハネ7章22節; 使徒行伝7章8節; ガラテヤ3章17節参照)、天使がヨセフとマリヤに個別に与えた指示に従ってイエスという名を与えられました(マタイ1章21節, 1章25節; ルカ1章31節参照)。長男の誕生に際して女性に義務付けられている40日間の別離と清めの期間が終わると(ルカ2章22節; 2章39節; レビ12章1-4節参照)、一家はマリのヤために必要な罪の捧げ物を捧げるために、ベツレヘムからエルサレムまでの短い旅をしました(レビ12章6-8節、レビ5章7節; 5章11節参照)、また神殿でイエスを主に聖別するために(ルカ2章23節; 出エジプト13章2節; 民数記3章13節, 8章17節参照)、ベツレヘムからエルサレムへの短い旅をしました。初子として生まれたすべての男子に求められる贖いの代価、「銀五シケル」も支払ったことでしょう。(出エジプト13章11-15節, 34章20節; 民数記3章13節, 3章44-48節, 18章14-16節)。[1] ヨセフとマリアはこれらの詳細をすべて注意深く果たしていましたから、マリヤのために用意した罪の捧げ物が、小羊の代わりに安価なもの、すなわち、「やまばと二羽か二羽の家ばとのひな」(ルカ2 章23節)であり、1)彼らは裕福な人々ではなかったこと、2)賢者らはまだ来ておらず、贈り物の金、乳香、没薬はまだイエスに捧げられていなかったと結論付けることができます。これらの贈り物は後にエジプトへの逃亡中に一家を支えるためにとても必要なものとなります。
最後に、神殿での主の初出は、キリストを見るまでは死なないと聖霊に告げられていたシメオンの言葉(ルカ2章29-32節、ヌンク・デミティスnunc dimittis<ラテン語:「今こそ主よ、僕を去らせたまわん」-wp>としても知られる)によって、メシアであることをさらに二人が証言する機会にもなりました(ルカ2章26節;参照:ルカ2章30節: 「私の目が[今]あなたの救いを見た」)、また預言者アンナの言葉によると、その言葉はそのまま記録されてはいませんが、「イスラエルの贖いを待ち望む」すべての人に向けられたものでした。これは、メシアだけが成し遂げることができる偉業です(ルカ2章38節)。
[1] 割礼は正確に8日目に行わなければなりませんでした(ピリピ3章5節参照)が、長子の贖いについては、特定の日が定められていません。 民数記18章16節で使われているヘブル語の「mibben-chodesh」は、むしろ、子供が満1か月になるまで、親は子供を捧げ、贖いの代価を支払うのを待つべきであることを示唆しています。
<-20に続く>