イエス・キリストの生涯-17
聖書の基本4A
ロバート・D・ルギンビル博士著
イエス、ヨセフとマリヤの初期の旅の経路
- ナザレからベツレヘムへ(ルカ2章4-20節)
- ベツレヘムからエルサレムへ(ルカ2章21-38節)
- エルサレムからナザレへ(ルカ2章39節)
- ナザレからベツレヘムへ戻る(マタイ2章1-12節より推測される)
- ベツレヘムからエジプトへ(マタイ2章13節)
- エジプトからナザレへ(マタイ2章19-23節)
e)キリストの誕生にまつわる出来事<i>
- 羊飼いたちへのお告げ:
(8)さて、この地方で羊飼たちが夜、野宿しながら羊の群れの番をしていた。(9)すると主の御使が現れ、主の栄光が彼らをめぐり照したので、彼らは非常に恐れた。(10)御使は言った、「恐れるな。見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える。(11)きょうダビデの町に、あなたがたのために救主がお生れになった。このかたこそ主なるキリストである。(12)あなたがたは、幼な子が布にくるまって飼葉おけの中に寝かしてあるのを見るであろう。それが、あなたがたに与えられるしるしである」。(13)するとたちまち、おびただしい天の軍勢(選ばれた天使たち)が現れ、御使と一緒になって神をさんびして言った、(14)「いと高きところでは、神に栄光があるように、地の上では、み心にかなう人々(=信者)に平和があるように」。(15)御使たちが彼らを離れて天に帰ったとき、羊飼たちは「さあ、ベツレヘムへ行って、主がお知らせ下さったその出来事を見てこようではないか」と、互に語り合った。(16)そして急いで行って、マリヤとヨセフ、また飼葉おけに寝かしてある幼な子を捜しあてた。(17)彼らに会った上で、この子について自分たちに告げ知らされた事を、人々に伝えた。(18)人々はみな、羊飼たちが話してくれたことを聞いて、不思議に思った。(19)しかし、マリヤはこれらの事をことごとく心に留めて、思いめぐらしていた。(20)羊飼たちは、見聞きしたことが何もかも自分たちに語られたとおりであったので、神をあがめ、またさんびしながら帰って行った。(ルカ 2章8-20節)
神が羊飼いにおける忠実さの経験を通して、ご自身の民イスラエルを導くために用意された有名な先祖ダビデ王のように、イエスは羊の良い羊飼いであり(ヨハネ10章14節)、主はこれと同じ例えを使って、ペテロと彼に続くすべての「牧者」たちに、キリストの教会を導く上で本当に大切なこと、すなわち、神の御言葉を通して群れを養い、彼らの安全を守ることを示されました(ヨハネ21章15-19節; 参照.ルカ10章38-42節)。 彼らの積極的な反応から明らかなように、天使たちがメシアの到来を告げた羊飼いたちは、明らかに「イスラエルの希望」(使徒行伝28章20節参照)を待ち望んでいた信者たちでした。 私たちの主についての知らせは、エルサレムで集まった大群衆や民衆の支配者たちにではなく、ユダヤの支配者、祭司、サドカイ人、パリサイ人、その他の権力者たちの思いもつかなかったような人たちに告げられたのです。 しかし、これらの忠実な信者たちは、天使に言われたに対して従順であり、メシアが最も不名誉な状況で卑しい人間の赤ん坊として生まれたという事実(世俗的な「評判の良い人々」が最もいら立たせられたであろうことであり、実際、私たちの主の初降臨の間中、そうでした)を不快に感じることもありませんでした。
<-18に続く>