驚異の年 (2011年8月配信 ひとしずく529)
東京に滞在中、インターネットがうまくつながらず、コン ピュー ターではなくiphoneでなんとか仕事をしていましたが、ついに我慢できなくなってきまし た。私の困った状況に気づいて、友人のJさ んが助けてくれました。ルーターをよくよく見てみたら、何のことはない、インターネットの線が外れていたのでした。思わず二人で 笑ってしまいましたが、主 は、この一見問題と見えるところから、ただ私達の笑いを誘おうとしていただけではなく、私達の必要としていたものについての祈り の答えを与えようとしてく れていました。
私達は、宮城県の被災者の子供会の人たち20名を、軽井沢にある友人の別荘まで連れて行くことを計画しています。感謝すること に、このメールを読んで下 さっている親切な方々のご厚意で、少しずつそのための経費ができ始めています。しかし、まだ肝心の交通手段が準備されていませ ん。理想は、20人以上乗車 できるマイクロバスの送迎でした。バス会社に頼むのは多くの経費がかかりすぎて無理ですし、とりあえず、どこかでマイクロバスを 借りなければなりません。 しかし何よりも、マイクロバスを運転できる人がいません。友人のJさ んがバスの運転ができるのは知っていましたが、彼はお盆の頃は実家に帰る計画だと聞いていたので、お願いするのは無理だと思って いました。しかし、コン ピューターのインターネットの接続の問題が解決してから、少し話すチャンスがあり、彼にその件について改めて尋ねてみると、私た ちの計画予定日は、彼が実 家から東京に戻った後なので、可能だと言ってくれたのです。もし誰も運転手が見つからなかったら、小さなバン数台で分散して、送 迎することも考え始めてい たところでした。
そして運転してくれる人や車を探すのに色々とコミュニケーションしなければと思っていた時に、インターネットがつながらないとい う一見問題に見えたことを 通して、友人とのコミュニケーションに主は導いて下さり、この被災者の方たちの企画において大きな進展につながることとなったの です。主の働かれる方法は 何と、私達の予期していない方法なのだろうと、主のされる方法にはいつも感服してしまいます。
ところで、こうした一見問題のように見える事が、 好転につながったとい うは話は時々聞きます。その中でも、特に私が印象に残っているのが、あの有名なロンドン大火事件の話です。1666年、イギリス では、前年からのぺストが 大流行して治まらず、またイギリスーオランダ第二次戦争が起こり、戦局では窮地に立たされており、それに加えてロンドンの大火が 起こったのでした。この大火でロンドン市内の家屋の約85%が焼失してしまったそうです。まさに災難続きで、当時のイギリスの桂 冠詩人ジョン・トライデンはこの年を「驚異の年」と称しました。しかし、イギリスの当年における「驚異」は、こうした災難だけで はなく希望を与える驚異にもつながりました。
実はこの大火のおかげで、不潔なロンドン は火で清められ、ペストの災疫から救い出されたのです。またロンドンのペスト流行のためにケンブリッジ大学が一時閉鎖され、かの 有名なニュートンは大学から仕方ななく、故郷に戻って時間を過ごしていました。そして庭にあるリンゴの木をぼけーっと眺めていた 時に、あの「万有引力の法則」を発見したのです。ですから、災難と同時に、ペストが思わぬことで消滅したことや、ニュートンの帰 省中でのそうした発見、また研究の進歩などのゆえにも、イギリスではそ の年は「驚異の年」であったのです。
「驚異の年」と言えば、今の日本もこれでもかというほどの、災難につぐ災難に見舞われ、そう称してもおかしくない年でしょう。し かし、かつてのイギリスのように、災難ばかりでなく、思いがけない大きな好転や特別な益のある年でもあるのかも知れません。私は そう願います。特に、私達国民が今まで気づくことの できなかった、重要な真理に目を開かされるという「驚異の年」になることを。
「天が地よりも高いように、わが道は、あなたがたの道よりも 高く、 わが思いは、あなたがたの思いよりも高い」(イザヤ55:9)「神は、神を愛する者たち、すなわち、ご計画に従って召された者たちと 共に働いて、万事を益となるようにして下さることを、わたしたちは知っている。」(ローマ8:28)