あなたは一人じゃない

j
2024年1月7日

あなたは一人じゃない (東北大震災の同年4月配信のひとしずく412から–「悲しみの向こうに–大震災を振り返って」から引用)

ちょうど会津の避難所の被災者の方々に、挨拶の言葉を 終え た時、私の携帯電話が鳴りました。

Tさんからでした。Tさ んとは久しぶりの会話で、お互い地震の安否を問うて、どちらも大丈夫だったことを喜びました。

その後、Tさんは、是非、お祈りしてほしいことがあると言いました。彼女 の親 しくしていた方が、奥さんと息子さんを短い間に続けて病で亡くされ、今その方自身も癌で、二度も手術をすることになり、生きる望みを 失いかけているということでした。

その方にはなかなか連絡がつかず、何とかして励ますために、Tさんはその方がいると思われる病院にやってきたので、その友人に会 える ように、そして励ますことができるように、祈ってほしいということでした。

私たちは、電話で一緒にお祈りしました。その後、どうなったかまだ聞いていませんが、主は、きっと慰めの天使を使わして下さった と思 います。

私はこのTさんの御友人と被災者の方々とを比較して考 え、 複雑な気持ちになりました。

今現在の統計で一万2千人以上もの尊い命をこの大震災を通して失いました。行方不明の人たちを合わせると2万人以上になります。 こん なに多くの方が犠牲に なったことはとても心の痛むことです、しかしよく考えてみると、もう生きていたくないと自ら命を絶つ人は、被災で亡くなられた人より も多く、それも毎年3 万人以上いるのです。

これは、別の見方からすると地震と津波の被災以上に悲惨なことではないでしょうか?

今、 つらい試練を通過している被災者の方々に、日本中の人々が、そして世界中の人々が憐みの思いを持って、何か自分にできることはないか と、必死に助けようと 働きかけています。それらの人たちの思いには、本当に心が温かくなります。しかし、私は思うのです。被災者以外の、一人思い悩んで絶 望してい る人にも、こういった励ましや助けが届けられたならどんなに素晴らしいことだろうと。日本中が被災者の方々を心配し、思いやっている 中でも、世間では、子 供の虐待や殺害、親子の無理心中、そして自殺などが起こっています。また孤独なお年寄りや子供たち、そして登校拒否の子供や、それに 悩む家族、また住む場 所や仕事の ない人や生活に苦しんでいる人も大勢います。彼らの苦しみは目に見える形での巨大な被災ではないかもしれませんが、そういった人々が 抱えている苦しみ悲し み絶望を思うと、被災された人と何が違うのだろうと考えてしまうのです。避難所や被災地だけではなく、落胆と失望という瓦礫の下で、 生きる希望を失ってし まった人は 大勢います。また災害でなくても病気や事故や殺害によって毎日、多くの人が命を落とし、愛する人を失って悲しみに打ちひしがれている 人もやはり大勢いるの です。そういった悲しみの重みは皆同じなのではないでしょうか?

被災地の方々へ 向けられたのと同じ愛の思いと愛の手が、これら全ての人に差し伸べられたなら、この世の中は、そして人生は、どんなにか素晴らし いものになるでしょう? それこそ天国です。この震災をきっかけに、そんな日本になれないでしょうか? 人に愛を与えることが、 やがて日本の文化となり、習慣とならないでしょう か? 今、日本はそうなるための最大のチャンスを与えられているように思います。

愛こそ、力です。愛こそ、どんな困難をも乗り越える力を与えてくれます。今、大胆に惜しみなく、悲しんだ人々を助けてあげたいと する この日本の多くの人々の熱意が、被災地の人ばかりでなく、私たちの身近にいる全ての人に向けられるなら、自殺者3万人以上という愛の飢饉国、日本は救われ る でしょう。

 「あなたは決して一人じゃない。世界中のみんながいます。」被災者の 方に向けて語られるこの言葉が、試練の最中にいる全ての人の心にも、届けられるようになりますように。

 …いつまでも存続するものは、信仰と希望と愛と、この三つである。このうちで最も大いなるものは、愛である。(第一コリント13章13節)

他の投稿もチェック

つながっている人々のために パート2

つながっている人々のために パート2 (2013年2月 ひとしずく1100) 原発の事故以来、度々、そこで働く作業員の過酷な労働問題が取り上げられています。以前、福島原発2号基の爆発 当時、中央制御室で働いていた人たちのドキュメンタリーをユーチューブで見ましたが、作業員が何とか爆発を防ごうと、必死になっていたのを思 い出します。SR弁というのを開いて、蒸気を逃がさないなら圧力に絶えられず、格納器が爆発してしまうという危険な事態でした。しかも、その...

つながっている人々のために

つながっている人々のために (2013年2月 ひとしずく1099)    私のある友人は、遠い第三世界の子供たちに対する熱い愛に、いつもかき立てられています。彼女の彼らに対する伝道の思いは、何十年も燃え続けて います。 日本にいるために、自らそれら貧しい子供たちに接することはできないものの、生活費 を節約し、それを子供たちの福利のために送っています。 私たちは、世界中の人たちとつながっていると言えると思います。確かに現代は、この...

十字架を負って生きる

十字架を負って生きる (2013年2月 ひとし ずく1098) いったい自分は、どんな目的のためにこの地上で生を受けたのだろうか? イエス 様は、「日々自分の十字架を負うて、わたしに従ってきなさい」と言われたけれど、自分の十字架とはいったい何なのだろう? これは全てのイエス様に従おうとしている人が心のどこかで抱いている疑問であると思 います。「それから、みんなの者に言われた、『だれでもわたしについてきたいと思うなら、自分を捨て、日々自分の十字架を負うて、わたしに従ってきな...