闇に輝く星 

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2023年3月5日

闇に輝く星 

 「ひとしずく」ーーひと昔編

南アフリカ共和国、元大統領、ネルソン・マンデラ氏、死去のニュースが世界中に報道されました。
 彼のことは、ノーベル平和賞を受賞した有名な人権擁護者として知ってい ましたが、インターネットで調べたら、本当に彼は偉大な人と呼ばれるだけのことはある人だと思いました。
 インターネットには、彼の母親はクリスチャンで、その影響で彼も若い時にクリスチャンになったということが書かれていました。
彼は若くして反アパルトヘイト運動(人種隔離反対運動)に身を投じ、一九六四年に国家反逆罪で終身刑の判決を受け投獄されます。それから二十七年間に及ぶ獄中生活の後、釈放され、後に大統領となりました。
彼はその権威をもって、自分を苦しい目に会わせた白人達、またその手下となっていた人たちを追い出したり、また報復したりすることはありませんでした。
 彼は牢獄生活の中で、自分を束縛し不当に扱った人たちはただ権力に使用されていた人たちだと分かったと言いました。自分を苦しめ束縛する人たちに対する恨みを持つ代わりに、理解と赦しの心を持っていたのです。
 もし報復をしていたら、悲しみと悲惨さに終わりはありません。彼は大統領の職責を果たすために、今迄政府機関で働いていた要職の白人達に、できたらこの国の再建のために一緒に働いてくれないかと、あくまでも人種間の差別や闘争ではなく、融和、協調を求めたのです。
 そして、白人達に報復しようとした黒人にそれを許しませんでした。武器を捨て共に国家の建設のために協調し合うことを求めたのです。
 二十七年間も孤独な牢に閉じこめられて出てきた人から語られる赦しと融和のメッセージと、彼の姿勢は、大勢の人たちの人生に影響を与えました。
 彼は圧政、暴挙、不正に跪きませんでした。環境や政府の抑圧、束縛が彼の心と精神を支配することはありませんでした。彼の魂は最後まで自由だったのです。自分に不義を行う者によって、自分の魂が右往左往することを許しませんでした。彼は、憎しみ報復ではなく、赦し愛し合うという自身の信念に徹したのでした。
 彼は、神の子の一人として、自分の召しを果たして神の栄光を現し、神のもとに帰って行きました。
 以下は、元プロボクサー、モハメド・アリ氏によるネルソン・マンデラ元大統領への賛辞です。
 「ミスター・マンデラは二十七年間も監獄島に幽閉された。彼がそのとき収監を逃れようと思ったならば、他国に亡命し、 安全な場所から不正義に対する抗議を続けることも容易だったであろう。しかし、ミスター・マンデラはそれを選択しなかった。彼はそのような人間ではなかった。仲間が苦しみを味わい続ける限り、彼も共に苦しみを背負うことを選択したのだ。」
 「私は抗議することの意味を知っている。私は体制に逆らい、理想にまい進する人たちの心に通底する感情や疑問を十分知っている。個々の犠牲は尊いものだ。しかし、もっとも偉大な人物は、大義のために忍耐し続けた。今日の南アフリカはミスター・マンデラの犠牲の上に築かれた。今でも驚かされるのは、一人の男が己の人生の二十五年以上を捧げ、刑務所から出所し、自らを投獄した人間に赦しを与えたことだ。」
賢い者は、大空の輝きのように輝き、また多くの人を義に 導く者は、星のようになって永遠にいたるでしょう。(ダニエル十二章三節)
 

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