平穏無事でない日の祝福

j
2023年2月16日

「ひとしずく」ーーひと昔編

起きてほしくないことが起ってしまいました。朝、病院に行こうと、車のキーを入れてエンジンスタートさせようとしたら、何と、あのバッテリー切れの、か弱いスターターの音・・・。家では捻挫した娘の愛と定期診察を受ける母親が、病院に行く準備をして待っています。
田舎の診療所では、常住のお医者さんがおらず、週一回やってくる巡回医師を頼りにしています。今日がその日で、この二人を連れて、隣町の診療所に行かねばなりません。車がなければ、この雪道を駅まで連れて行くのも無理です。バスは、一日に一本しかありません。
母が「油屋さんに、今日、灯油をもってきてくれるようにお願いしたから、来た時、助けてもらったらいいかもしれない」と言ったので、早速、油屋さんに電話をしてみると、親切な事務の人が対応してくれました。「今、配達人がどこを廻っているかわからず、連絡もいつとれるかわからないけど、連絡がとれたら、バッテリーをつなげるコードを持っているかどうか確認して、コードを持っていなかったら、取りに戻らせましょう」と言ってくれたのでした。
 私は、そこまでしてもらっていいのかな?と思いましたが、一応、お礼を言って電話を切りました。しかし、灯油の配達は何時に来るかわからなかったので、近所の人が、近くに整備工場があるからそこに聞いてみたらいいということで、そこに電話してみました。すると、JAFに加入しているかどうか尋ねられて、加入していないかもしれないと答えると「うちは高いんですよ。出張してバッテリーチャージするだけで、2万円ですから。もちろん、すぐに行けますけど・・・」整備工場の人は、値段が高くて申し訳なさそうで、こんなことに大金を払うのはもったいないので、他の方法を考えたらいいといった答えでした。
 私もその金額を聞いて断念し、ポータブルの発電機を使えば、自分でできるかもしれないと思い直しました。
 そして再び外に出ました。ちょうどそこへ近所の八十歳くらいのおじいさんが来て私に「ちょっとついて来て」と言って先に歩いて行きました。ついて行くと、道ばたでタバコを吹かしながら、おばあさんと話している作業着姿の男性がいました。おじいさんは、その彼に事情を話し「何とかしてくれや」と頼んでくれたのでした。この男性は、私の旧友のところで使われている人でした。私の友人はいなかったのですが、彼はバッテリー・コードを私の友人の物置から探し出し、車を乗り寄せて、バッテリー同士をつなげてチャージしてくれました。車のエンジンはすぐにかかり、全てがあっけないほど簡単に終わったのでした。
 油屋さんの事務所には「もうバッテリーは大丈夫だから」と連絡を入れていましたが、油屋さんが灯油を入れにやってきたのは、夕方近くでした。ついさっきやっと連絡がついたようでした。それでも車は大丈夫かと気遣ってくれていましたが、私は感謝して、「大丈夫でした」と答えました。
 しかし、ここの人たちは、何と言う助け合いの精神の持ち主なんだろうと、私は感動してしまいました。
困っている人を身内のことのように心配し、それを見過ごさず何とかしようとしてくれる・・・商売をしているというのに、相手が高いお金を出すのを気の毒に思ってくれる・・・一銭の儲けにもならず、自分の仕事でもないのに、寒い中、犠牲を払って助けてくれる・・・。
 再び寒い雪国で、親切な心に暖められた思いがしました。こういった豪雪地帯では、困まったことも頻繁にあるのだと思いますが、その分、他の人々との助け合いの機会を多く持ち、それが「困った人は必ず助ける」という習慣を生み出しているのだと思いました。
ハプニングがなければ、知り合えなかった人々、そして触れ合えなかったその人たちの親切、優しさ・・・。
私は、平穏無事な一日でなかったこと、主に感謝!
 憐れみ深い人々は、幸いである、その人たちは憐れみを受ける。
心の清い人々は、幸いである、その人たちは神を見る。(マタイ五章七、八節)

他の投稿もチェック

主が共におられる

ひとしずく799-主が共におられる 時々、試練の最中にあると、主は共にいてくださらないように感じることがありませんか?そして、主が共にいてくださるのなら、こんな災難や試練が起こるわけがないし、起こったとしてもすぐに助け出してくださるはずだと、不平と疑いを抱いてしまうことが・・・。 旧約聖書にあるヨセフの話はとても興味深いものです。...

義に飢え渇く者

ひとしずく1559-義に飢え渇く者 (2014年配信) 最近、Dさんに十何年かぶりに再会しました。今、彼は単身赴任 で、福島の相馬で働いています。以前、私たちの聖書クラスに来ていましたが、彼が九州に引っ越しして以来、会う機会はありませんでした。 しかし、彼が東北に来て、先月から月に 一回、私が那須にいる時に、聖書を一緒に学ぶために、彼は公休日前の日に一泊の泊りがけで相馬から那須にやってきます。仕事が終わってか ら車で来るので、那須に到着するのが夜の9時...