闇に輝く光 

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2022年12月3日

「ひとしずく」ーーひと昔編

「あなたの受けようとする苦しみを恐れてはならない。見よ、悪魔が、あなたがたのうちのある者をためすために、獄に入れようとしている。あなたがたは十日の間苦難にあうであろう。死に至るまで忠実であれ。そうすれば、いのちの冠を与えよう。」(黙示録二章十節 スミルナの教会に宛てたメッセージ)

苦しみを前に人はたじろぎます。私は特に億病なところがあり、痛さ、孤独、怖いことを前に萎縮してしまいます。簡単にくじけるところがあり、おろおろするのです。
 自分には潔さも勇気も愛も十分ないとわかっています。私を強くして下さるのは、ただ主だけです。
 恐れの根本の原因は、「死ぬかもしれない」ということであると思います。全てを残して、この世界から立ち去ること、愛する人とのつながりを失ってしまうこと、愛着を覚えたすべてを手放すこと、そして未知の世界への旅立ちなど、「死」への恐れや不安は、ある意味、全ての人が多少なりとも持っているものだと思います。また自分は、死に際にあたふたするのではないかという恐れもあるかもしれません。
 この肉体そのものの死よりも、そうした自分に対する死が、ある面では辛く苦しい時もあるかも知れません。勇気と力の全ては、この「死」に対する恐れを克服した時に、与えられるのではないかと思います。

ところで「死に至るまで忠実であれ」と書かれています。
 これは主に従うことについてどの程度従えば良いかについてのとても明確なメッセージです。


 「どこまでやればいいのか?どのくらい我慢すればいいのか?」
 「あなたの命のある限りです」ということです。
 「どのくらい与えればいいのか?」
 「それは全てです。自分の持ち物全て、自分の命、自分の時間全てです」ということです。

 とても簡単明瞭です。
 厳しいことのようですが、曖昧でない分、はっきりしているところが助かります。
 ただ自分がそれに対して備えができているかどうかが問題です。死に至るまで忠実でいられるのか、自分という存在を見つめるとたじろぐのです。

 しかし、自分を見ていても力は湧いてきません。死という人生の卒業の向こうに待っていてくださる主イエスだけを見つめて初めて、そこへ飛び込む勇気が与えられるのです。
 今まで、私の敬愛する幾人もの人たちが、死を勇敢にくぐり抜け、向こう側の世界に入っていったのを見させて頂きました。しかし、その向こうのことは、ただ信仰によって知っているだけです。
 私は、彼らが向こうでは、たくさんの報いと慰めと愛を主から頂いていると信じています。そして彼らがこちらの世界にいた時も、主が共にいてくださり、たくさん励ましと慰めを主から頂いていたと思います。きっと主は死という線を越えて 向こう側でも、いえ向こう側では尚いっそう素晴らしいことをしてくださっていることでしょう。

 主イエスは、かつて私たちを助け、恵みと慰めで満たしてくださったように、今も共にいて助け、共に歩んでくださり、語りかけてくださっています。そしてひとときも離れず捨てず、私たちの叫びに耳を傾け助けてくださいます。

そして、このイエスは、明日も明後日も、永遠に共にいて私たちを助けて下さるのです。

死を恐れることは、ありません。死は、このイエスによって、私たちに対して何の力も持たないのですから。

どうか、私たちが死に至るまで主を信頼し、忠実でいられるよう、主が助けてくださいますように。

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