「ニグルの木の葉」を読んで 

「ニグルの木の葉」を読んで 「ひとしずく」ーーひと昔編 「パパ、この本読んでみて。きっと気に入るよ。」と言って、十六歳になる娘がトルキーン(ロード・オブ・ザ・リングの著者)の書いた「ニグルの木の葉」という本を図書館から借りてきてくれました。短いお話だったので、 私は一晩で読んでしまいました。その娘だけではなく、その本をすでに読んでいた他の三人の子供たちも...

闇に輝く星 

闇に輝く星   「ひとしずく」ーーひと昔編 南アフリカ共和国、元大統領、ネルソン・マンデラ氏、死去のニュースが世界中に報道されました。 彼のことは、ノーベル平和賞を受賞した有名な人権擁護者として知ってい...

のがれの町 

のがれの町  「ひとしずく」ーーひと昔編 大学入試のカンニング事件で逮捕された十九歳の若者につい て、「逃げ道」を作ってやるべきだと主張している新聞の投稿を読んで、その人の意見に私も同感でした。「大学側は被害者届を取り下げてほしい。カンニングは許せない行為だが、少年は反省している。子供は不完全な存在だから『君にも未来はある』と諭すことが教育者の態度。愛こそが必要だ。」(「夜回り先生」元定時制高校教諭...

愛?それとも富? 

愛?それとも富?  「ひとしずく」ーーひと昔編 あれは幻だったのかと思うことがあります・・・。 私は子供時代、父が鉱山で働いていたので、その社宅である長屋で暮らしていました。小さな玄関と二間の部屋からなる住まいが薄い壁で仕切られ、確か八世帯くらいで一棟となっていました。トイレ棟が離れにあり、お風呂は男女に分かれた共同風呂でした。台所は部屋にありましたが、水道が引かれていたわけでもなく、二棟の長屋の真ん中辺りにある、押しポンプの流しを皆で使っていました。そこに十数家族の人たちが野菜を洗いに来たり、...

愛する者のための信仰の力 

愛する者のための信仰の力  「ひとしずく」ーーひと昔編 私の娘の一人が、 妹や友達と新しくアパートに移ることになり、一昨日は、その契約をするために、不動産屋に娘と車で向かっていました。二十歳を過ぎた、 元気いっぱいの彼女ですが、以前は拒食症で苦しんだ経験があります。当時の大変だった時のことを懐かしく思いながら、道中、その時のことを話 していました。 娘:「調べたら、拒食症って、皆、セラピーをしなければ助からないんだっ て」私:「私たちは、しなかったね」娘:「いや、パパや皆がしてくれたよ。それに、家族セラピーが一番なんだって」...