Ⅱ. 神の位格:三位一体<13>

Ⅱ. 神の位格:三位一体<13>

神についての研究

https://ichthys.com/1Theo.htm#C.%20The%20Trinity%20in%20the%20Old%20Testament

ロバート・D・ルギンビル博士著

  1. 旧約聖書における三位一体<4>

d) 御父の尊厳: サタンに率いられた天使の反逆が人間の創造に先立つという事実(ヨブ38章7節; イザヤ14章12-15節; エゼキエル28章12-19節)は、最終的にサタンに代わってこの世の支配者となるお方、御子イエス・キリストを通して働くという御父の行動様式について多くのことを説明しています(ルカ10章18節; ヨハネ12章31節, 16章11節; 第一コリント15章24-25節; コロサイ2章15節; 黙示録11章15節[1]。三位一体の権威と威厳の姿として、御父はサタンとの闘いを代理者を通して行うことを選ばれますが、その代理者こそ、御自分の犠牲によって罪深い人類を贖い、私たちの敵対者であるルシファーに取って代わられる明星です(イザヤ14章12節黙示録22章16節を比較してください)。つまり、旧約聖書全体を通して、御子こそが御父を表し、現れるたびに御父の言葉を語っていること(キリストの顕現)は、驚くべきことではないということです。なぜなら、御子は、油注がれた者、メシア、御父によってこの世に遣わされた者だからです。(マタイ10章40節, 21章37節; ルカ9章48節, 10章16節; ヨハネ12章44節, 13章20節)。 救いの計画における御父の代理人として、御子が御父を代表するというこの原則は、キリストに関する次の事柄からもわかります …

1) メッセージ:キリストは御言葉です(ヨハネ1章1-3節)。 これは、キリストが御父のメッセージと真理の体現者であり、御父の言葉を常に真実かつ正確に語られることを意味します(申命記18章18節; ヨハネ8章55節, 14章10節, 14章24節)。 キリストは御父の究極のメッセージであり(ヘブル1章1節<,2節>)、血による新しい契約の御父のメッセンジャーです(イザヤ42章6節; エレミヤ31章31節-; マラキ3章1節; マタイ26章28節; 第一コリント11章25節[2]

2) 仲介:  キリストは父なる神と罪深い人類との間の仲介者であり(ガラテヤ3章19-20節; 第一テモテ2章5節)、その血によって私たちを父と和解させる方です(ローマ5章10-11節; 第二コリント5章18-21節; エペソ2章14-16節; コロサイ1章20-22節)。

3) 使命:  キリストは、私たちの罪のためのいけにえとしてご自身をささげるために、御父によって油注がれ、遣わされたお方です(ヘブル9章11-14節)。 ですから、私たちに代わって御父に贖いをささげる究極の大祭司なのです(ヘブル5章5-10節)。

4) 君主制: 十字架での勝利を認めて、御父は「彼を主とし、キリストとされた」(使徒行伝2章36節)のです。この箇所は、キリストが世の支配者としてサタンに取って代わられただけでなく、御父の代理者として世の執政権を受け入れられたことを告げています(御父の再臨が迫っていることを示す旧約聖書の多くの箇所が、新約聖書では御子に適用されていることを説明しています):

                        a) 御子の昇天(詩篇110篇1節マタイ22章44節);

b) 御子は地上において王座に着かれる(詩篇45篇6-7節ヘブル1章8-9節); 

c) 創造から永遠までの御子の優位性(詩篇97篇7節後半とヘブル1章6節)。

上記のキリストが神の救いの計画において父を「現わす」役割のすべての例は、旧約聖書のすべての神の顕現が、受肉前の父を現し、代表し、父のために語られる御子であること、すなわちクリストファニー(キリストの顕現)であるという立場を支持するものです。

e) 御子の可視性、近づきやすさ、謙遜:  初め私たちは御父を見ることはできませんが、私たちは御子を見ることができ、御子を通して御父を見ることができます(ヨハネ14章9節)。 私たちは初め御父に近づくことができませんでしたが、御子を通して御父に近づくことができるようになりました(ヨハネ14章6節)。 また、私たちの罪深さが御父の完全な聖性から私たちを遠ざけていましたが、御子の御業が私たちを聖なる者とし、御父と和解させてくださったのです(コロサイ1章22節)。 三位一体の目に見える身近な存在であるキリストは、私たちのためにへりくだり、私たちと結ばれて死んでくださいました(ピリピ2章5-11節)。キリストは、旧約聖書のクリストファニーの時であれ、受肉後に真の人間として現れた後であれ、常に私たちと神格との接点でした。


[1] サタンの反乱の詳細、その起源、経過、そして結末については、シリーズ「サタンの反乱:艱難期の背景」で取り上げています。

[2] これは、父が決してご自身で語らないという意味ではありません。父がそうされる時は、天から語られます。父が御子の務めを認める三つの重要な例があります: a) キリストの洗礼の際、その始まりにおいて(マタイ3章17節マルコ1章11節ルカ3章22節); b) 変貌の山で予示された結末において(マタイ17章5節マルコ9章7節ルカ9章35節); c) キリストの十字架刑前の祈りに対する応答において(ヨハネ12章28節)。

<14>に続く

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