雪があるから

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2023年1月7日

 「雪がなきゃ、いいところだけどなー」
この田舎に生まれ育った私の親友が漏らしていた言葉を思い出します。
 この頃では、雪の珍しさよりも、少し雪にうんざりさせられ、雪かきをせずに朝もう少し寝ていられたらという気持ちになります。 
ここ秋田での朝はまず、まだ暗い四時半頃、ブルドーザーの音から始まります。そしてその後、五時には、近所の人たちが雪かきを始めます。
 うちでは、いつも雪かきを率先してやってくれている息子が、しばらく風邪をひいていたので、私がやっていたのですが、それが毎日のことなので、疲れがたまって朝早く起きるのが辛くなっているのです。今夜はあまり雪が降ってないから、明日はブルドーザーが来ないぞ、良かったーと思っても、四時半になると、やはりあの音が聞こえてきて、あー、やっぱり来た・・・とため息が出ます。夜にわずかしか降らない時でも、日中に降った雪を道路から除雪するためにブルドーザーがやってくるのです。 
ブルドーザーが除雪してくれることは感謝なことなのですが、通った後は、家の前に除雪された雪が盛り上がっていて、 それを私たちは、スノーダンプで融雪溝まで運ばねばならないのです。大体二時間くらい、雪の多い時は、もっと時間がかかります。
 除雪されたものだけではありません、屋根の雪が落ちると、それが玄関の前を塞いでしまうので、その雪かきも必要です。いつ屋根から雪が落ちくるかと、気にしていて、ついに屋根から雪が落ちる音を聞くと、重い腰を上げ、また雪かきということになります。雪かきを一生懸命やっても、その間に、またつもり始めている時もあります。
雪かき、屋根の雪降ろし、落ちた雪の除雪、容赦なく降り続ける雪・・・。くる日もくる日も雪との取っ組み合いの日々。
 この繰り返しに、雪国の暮らしの厳しさをつくづく思うと共に、 私は、このような雪国に何十年も暮らしてきた人たちに、ただ感心せざるをえません。どこからその力とねばり強さが出てくるのかと思うのです。

 今日の午後は一週間ぶりの青空が見えました。朝、屋根に上って、雪降ろしをしていた時、 美しい景色を眺めながら、ふと思いました。雪国の人たちの体験していることは、いろんな人たちが体験していることにとても似ているなと。 困難な状況が、自分の気持ちや疲れやまた都合を容赦してくれず、これでもかこれでもかと忍耐を試すように襲ってくる、といったようなことは、全ての人が時折体験することではないでしょうか? 長期に亘る病気とか、ストレスがたまるような状態で働き続けるとか、うつや他の精神的な症状を抱えているとか、経済的な困難を抱えているとか、人間関係で悩んでいるとか、どれも、簡単に解決策を見つけることができないような長期に亘る試練かと思います。いつまでこうした状態が続くのかと不安に襲われたり、忍耐が試されるということはよくあることだと思います。
 しかし、今日、久しぶりの青空と太陽が、気持ちを高めてくれたように、主は、それぞれの試練の中で、やり続けあきらめないで進み続けるように、希望や慰め、励ましを与えて下さるのだと思います。
 一日一日を、あきらめないで必死に乗りきって行けば、必ず青空を見る日がやってくるし、やがて必ず春がやってくるのです。
私は、雪があるお蔭でどれだけの益と祝福に与っているかを数えてみることにしました。

 雪があるから、白銀の美しい風景を楽しめる
 雪があるから、近所の人たちと助け合う
 雪があるから、山も野も畑も田んぼも水で潤う
 雪があるから、いたわり合う
 雪があるから、暖かさを感謝する
 雪があるから、考え工夫する
 雪があるから、団らんの時間がもっとある
 雪があるから、身体を動かすことが多くある
 雪があるから、力を合わせる
 雪があるから、休息がありがたい
 雪があるから、春の素晴らしさを一層感じられる

 久しぶりに見た青空が、私に希望を与えてくれ、雪にうんざりするかわりに、雪に感謝する 気持ちにさせてくれたました。
長い試練と戦っていて悪天候が続いているように思えるあなたにも、神様が希望の素晴らしい青空を覗かせて下さいますように。

  すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって、神があなたが たに求めておられることである。(第一テサロニケ 五章十八節) 

希望は失望に終ることはない。なぜなら、わたしたちに賜わっている聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれているからである。(ローマ五章五節)

あなたがたの会った試錬で、世の常でないものはない。神は真実である。あなたがたを耐えられないような試錬に会わせることはないばかりか、試錬と同時に、それに耐えられるように、のがれる道も備えて下さるのである。(第一コリント十章三一節)

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